目ざめよ!1985 4/22号 表紙

 

自らの宗教の指導者にも警戒するように教えていた– ものみの塔弁護士

OPENING STATEMENT BY MR. SCHNACK – May 29, 2012

シュナック氏(ものみの塔側弁護士)による冒頭陳述 – 2012年5月29日

30年以上の間,ものみの塔は会衆内のすべての親たちに教育的な記事を提供してきました。…
最初のものは実に1982年7月22号(日本語 ’82 9/22)の目ざめよ!から存在するのです。…続いて1985年1月22日号(日本語 ’85 4/22),そして1991年10月8日号も得ることができ,最後に1993年10月8日号もあります。
これらはものみの塔が成員たちの手に配布しているものの一部にしかすぎません。親たちを教育しているのです。

1985年の記事の中には自分たちの宗教指導者にも警戒するようにと親たちに告げている文章さえあるのです。それで親たちは自分の子供たちを長老や他の奉仕者のもとに委ねる際にも十分に配慮するでしょう。会衆に対してはこの種の情報が発信されていたのです。

解説: 原告側の弁護人も,ものみの塔協会が児童虐待の問題を認識していたことを示すために目ざめよ!の記事を指摘していました。そして問題の認知しながらも会衆内での問題に対しては怠慢であったと訴えています。 これに対してものみの塔側は上記のように,これらの記事は協会がエホバの証人の親たちに会衆内での児童虐待に警戒するように促していた証拠だとしました。

(目ざめよ!1985年4月22日号では「教会」での不祥事のことが述べられています)

 

長老とものみの塔の従属関係

長老たちは会衆内で虐待事件が行われた場合,必ず協会の法律部門から指示を受けることが求められています。以下はフリーモント会衆の長老であるマイケル・クラークに対する原告側の質疑の一部です。

マイケル・クラークの宣誓証言の記録から

Q.ケンドリック氏が二人の少女に触ったという情報を捜査当局に報告しましたか?

A.いいえ

Q.なぜですか?

A.それは…法律,我々の法律部門がわたしにアドバイスしたからです。

注記: この裁判において,長老たちが警察に事件を報告したかどうかが審議されていたわけではありません。(当時カリフォルニア州では聖職者の児童虐待報告義務は法律で定められていませんでした)。上記の質疑からわかるのは協会の法律部門が地元の長老たちに捜査当局には通報しないようにと指導していたという点です。

 

ものみの塔協会からフリーモント会衆への手紙

協会本部はフリーモント会衆へケンドリック兄弟への対応について具体的に指示を出しています。

1993年12月3日

フリーモント会衆
長老団

親愛なる兄弟たち

1993年11月15日付の皆さんの手紙を受け取りました。同封されていたS-52フォームに記されていた通り,ジョナサン・ケンドリック兄弟は「汚れ」を根拠に奉仕の僕の立場から削除されました。

皆さんの手紙には「彼は義理の娘が寝ている間に胸を触ったことを認めました。彼女はすぐに目を覚まし何が起きたのかを知りました。」と述べられています。この出来事は家族の成員以外の人にも知られているので,ケンドリック兄弟を会衆の中で奉仕の僕として使える立場から削除するのはふさわしいことです。

王国宣教学校の教科書92ページは次のように述べています。「汚れは意図的で一時的に性器を触ること,および胸を愛撫することが含まれます。そのような深刻ではない汚れは一人か二人の長老の裁量で扱うことができます。そのことで審理聴聞は必要ありません。強い助言と訓戒,そして将来の慎み深い行動を維持する助けを必要としています。」

上記の点に調和して,ケンドリック兄弟による「汚れ」に関して審理委員会が問題を扱う必要はありません。しかしながら,二人の長老が彼に強い聖書からの助言を与え,そのような重大な違反を繰り返さないようにするのはふさわしいことでしょう。

上記の注解が皆さんにとって役立つことであると信じています。この手紙にそえて,わたしたちからのクリスチャン愛を送ります。

皆さんの兄弟,
ものみの塔聖書冊子協会

注記: 未成年の義理の娘にたいするわいせつ行為ですが,「深刻ではない汚れ」として扱われています。成人した大人同士の不祥事と同じ扱いとみなすように指示されているのがわかります。

 

ケンドリックを見守っていたか – 会衆から協会への手紙

地元の長老たちはケンドリックの義理の娘への性的虐待の後,「彼を見守っていた」と裁判所で証言しました。しかし「見守っていた」という行動実態がないことは1998年の協会への通信物の中に示されています。

ものみの塔聖書冊子協会

1998年8月31日

親愛なる兄弟たち

この手紙はジョナサン・ケンドリックに関する1998年6月19日のみなさんの手紙への返信です。…
以下は1997年5月14日付のすべての長老団あての手紙であげられていた質問事項に対する答えです。

1. 罪を犯したのはどのくらい前ですか? 1993年7月
2. 犠牲者の年齢はいくつですか? 15歳
3. それは一度だけですか? 一度だけ
4. 彼は社会や当局からどのようにみなされていますか? 警察への報告は行われている。
(訳者注記:長老は報告を行っていない)
裁判所による制裁はなし。
5. 社会からの汚名はなくなっていますか? 世間の認知なし
6. 会衆の成員は罪のことを知っていますか? いいえ
7. 彼は過去に排斥や叱責をうけていますか? はい。感情をコントロールできず。叱責。
8. 会衆を移動していますか? アンティオック・オークリー会衆へ移動
9. 移動先には伝えていますか? いいえ

彼は1998年1月にアンティオックに移転していましたが,この問題について何も書き添えることはしていませんでした。我々はすぐに新しい会衆にこの手紙を添えて報告します。

わたしたちのクリスチャン愛を送ります

マイケル・クラーク ゲーリー・エイブラハムソン ラリー・ラマーディン

 

記事の終わり