エホバの証人研究

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エホバの証人はカルトか

エホバの証人はカルトですか?

 

この点は「カルト」という言葉をどのように定義するかという点と、エホバの証人のことをどう思っているかによって人々の答えは変わります。しかし「エホバの証人はカルトだ」という発言は慎重にすべきだと思います。第一に日本において「カルト」という言葉には差別的また侮辱的な意味合いを伴う場合が多いからです。そして「カルト」の定義があいまいである以上、断定的な言い方は誤解を与える可能性があります。ここでは「エホバの証人はカルトか」という質問に「はい」か「いいえ」の答えを出すことはしません。その代わりにエホバの証人側の説明とその評価にとどめることにします。

 

エホバの証人側の説明

エホバの証人の機関誌「ものみの塔」には以下の説明がなされています。

ものみの塔 94 2/15 5ページ 「エホバの証人はカルト教団ですか」
イエス・キリストは,酒にふける者,食い意地の張った者,安息日を破る者,偽りの証しをする者,神を冒とくする者,さらにはサタンの使いであると非難されました。また,危険分子として非難されたこともあります。―マタイ 9:34; 11:19; 12:24; 26:65。ヨハネ 8:13; 9:16; 19:12。
・・・
イエス・キリストによって設立されたこの新しい集団は,正常な社会行動として当時受容されていたものに反する,急進的な見方や慣行を有する宗教集団である,と一部の人からみなされていたようです。今日の人々の中にも,仮にそのクリスチャンたちを見ていたとすれば,破壊的なカルト教団であると考えたであろう人は少なくないに違いありません。非難していたのは大抵,地域社会で尊敬されていた著名人であったため,その主張には一層の重みがあったものと思われます。多くの人は,イエスとその弟子たちに対する非難を信じました。しかし,ご存じのように,それらの告発はすべて偽りでした。人々がそうしたことを言ったからといって,それらが事実になったわけではありません。

エホバの証人側の説明の要点は以下の一文に表現されています。

今日の人々の中にも,仮に[初期の]クリスチャンたちを見ていたとすれば,破壊的なカルト教団であると考えたであろう人は少なくないに違いありません。

つまりエホバの証人がカルトなら初期キリスト教徒もカルトと表現されていたかもしれない、ゆえにエホバの証人をカルトと呼ぶのは不公平であると主張しています。この主張はどの程度正当でしょうか?

この点で「ものみの塔」の言っていることはある部分においては正しいと言えます。初期のクリスチャンが少なくともある地域においては「カルト教団」のように見なされ迫害されていたということは豊富な資料によって明らかになっています。キリスト教が主流な宗教として認められるようになったのは4世紀になってからのことです。

しかし同じ記事の中に書かれている次の文は正しい主張と言えるでしょうか?

 エホバの証人の振る舞いは,受容されている正常な社会行動に反するものではありません。- 塔94 2/15 6ページ

「受容されている正常な社会行動」は地域によって異なるものです。ですからエホバの証人の振る舞いを受容できる範囲と断言するのは間違っています。例えば「輸血拒否」を「受容されている正常な社会行動」と言うことはできるでしょうか?恐らくどの地域でも「正常な社会行動」とは認められないでしょう。

自分が正しいと思ったことを貫いて正常な社会行動から逸脱するということもあるでしょう。 しかし問題なのは正しいと信じる信条が、公平な情報を与えられない状態で築かれている場合があるということです。 ものみの塔協会が発行する文書の中には、事実を隠ぺいするかたちで提供されている情報が見受けられます。 このサイトの中でエホバの証人が公平な判断ができるよう、ものみの塔協会が読者を誤導しているような問題に関して、事実を提示していきたいと思っています。

 

様々な意見

エホバの証人をカルト的と感じるかどうかは恐らくはその人の個人的な経験によって左右されるでしょう。宗教的な信条を優先して非常識な振舞いをするエホバの証人に遭遇し「カルト的」と判断する場合があるでしょう。またエホバの証人に家族を奪われたと思える経験をした人であれば、その人にとってエホバの証人は「破壊的」と感じるのはもっともなことです。しかし安易に「エホバの証人は破壊的なカルト教団である」とみなすことも慎重でなくてはならないと感じます。

個々のエホバの証人を見るとき、ほとんどの人が真面目で誠実な人たちです。社会に対する破壊的な影響もほとんどありません。ですから近所にエホバの証人の集会所があることなどを心配する必要はありません。また結婚する相手の親族にエホバの証人がいるとしても必ずしも問題視する必要はありません。

しかし自分の直接の家族がエホバの証人になろうとしている場合は注意が必要です。エホバの証人は、エホバの証人に対する批判的な意見に耳を傾けないように教えられていますので、学び始めてしばらくすると否定的な意見を受け付けなくなる可能性があります。ですから身近な家族として早い段階でエホバの証人についての様々な情報に耳を傾けるように助ける必要が出てくるかもしれません。

 

結論

エホバの証人はカルトかという質問に「はい」か「いいえ」の答えを出すことに意味はありません。エホバの証人のことをよく知った上でカルト的と感じている人もいます。あまりよく知らないで「カルト的」と思っている人もいます。逆に「エホバの証人はカルトではない」と考える人の中にもエホバの証人のことをよく知っている人もいますが、知らない人もいます。「エホバの証人研究」のサイトでは読者がエホバの証人の全体像を理解できることができるよう公平な情報を提供することを目標にしています。