エホバの証人研究

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エホバの証人はキリスト教か

エホバの証人はキリスト教ですか?

「エホバの証人はカルトか」という質問に比べてこれに答えることは難しくありません。なぜなら「キリスト教」という言葉の定義は「カルト」の定義に比べると比較的安定しているからです。

キリスト教「デジタル大辞泉」
イエスをキリストすなわち救世主と信じる宗教。神の国の福音を説き、人類の罪を救済するために自ら十字架につき、復活したイエス=キリストを信仰の中心とする。

この定義からすればエホバの証人は「キリスト教」の一つです。ただし多くの点で主流のキリスト教と異なっています。ですからエホバの証人はキリスト教ではないという意見もあります。

主流キリスト教会側からの主張

興味深いことに「エホバの証人はクリスチャンではない」という主張のほとんどは、主流派のキリスト教会に属する人からのものです。つまり、正統なキリスト教からするとエホバの証人は「キリスト教」ではない、あるいは認められないということです。キリスト教会側の説明は以下のようなものになります。

彼らは表向きキリスト教のようなのですが、実体はキリスト教とはまったく別の宗教です。・・・エホバの証人の聖書は、あなたが思い浮かべる聖書とはまったく違った書物である、ということに注意してください。つまり、エホバの証人の聖書は、本物の聖書ではないのです。

http://homepage2.nifty.com/mimomi-church/JW.html

この場合は、エホバの証人は主流のキリスト教と異なる教理を信条としているので「キリスト教」ではない、あるいは独自の聖書を使用しているのでキリスト教ではないということになります。しかし「新世界訳」聖書を使っていることがキリスト教と認めない理由であるのなら、エホバの証人がジェームズ王欽定訳やアメリカ標準訳を使用していた時代は「キリスト教」であったということになります。日本でもかつては日本聖書協会の「文語訳」聖書を使用していました。

海外に比べて日本の教会はなぜエホバの証人をキリスト教と認めたがらない傾向が強いのでしょうか。おそらく日本においては主流のキリスト教自体の認知度が低いことが理由でしょう。エホバの証人の目立つ活動(特に布教活動)により一般の教会が混同されてしまうことに憂慮するのかもしれません。

 エホバの証人側の主張

さらに興味深いのはエホバの証人側も同じように主流のキリスト教会のことを「真の」キリスト教ではないとしていることです。

 ものみの塔(一般用) — 2012年3月 1日号 クリックで拡大します

「ものみの塔」は正統派キリスト教徒のことを「自称クリスチャン」と呼びます。そしてエホバの証人こそ「真のクリスチャン」であると主張します。結局エホバの証人であれ他の宗派に属するクリスチャンであれ、自分の信じる道が「真の」キリスト教であり、自分たちの聖書解釈から離れる解釈をしている宗派は「偽のキリスト教」とみなされます。

キリスト教宗派の単純な分類ではエホバの証人が「プロテスタント」に分類される場合があります。この分類に関してはプロテスタント教会とエホバの証人のどちらも否定しています。

ものみの塔09 11/1 19ページ
エホバの証人はプロテスタントの一派ですか

エホバの証人は,自分たちがプロテスタントであるとは考えていません。なぜでしょうか。
プロテスタント主義は,ローマ・カトリック教会の改革を目指して16世紀のヨーロッパで始まりました。・・・それ以来,この語は一般に,宗教改革という主義あるいは目標を固守する人々すべてを指すようになりました。・・・エホバの証人は,法王の普遍的権威を否定し,聖書の第一位性を全面的に支持していますが,多くの重要な点においてプロテスタント諸宗派とは異なっています。
公式サイトから全文を読む(別ウィンドウ)

結論

エホバの証人はキリスト教かという質問を通常の辞書の定義に照らし合わせて答えるなら、「はい」という答えになります。「エホバの証人はキリスト教か?」という質問をキリスト教を信じる人に対してするなら、その質問は「あなたはエホバの証人をキリスト教と認めますか?」という意味になります。その場合は人によって答えは異なることでしょう。