ものみの塔協会はしばしば”学者”の言葉を不正な仕方で引用します。それはあからさまな「嘘」を伴う場合があります。例えば考古学上の発見で「世界的な大洪水があった」ことが証明されていると読者に信じさせるために「見よ! わたしはすべてのものを新しくする」と題するブロシュアーの中で 以下のような説明を行っています。

*** 見よ! 7–8ページ 11節 ***
彼らはまた,世界的な大洪水があったことを示す数多くの証拠を発掘しました。聖書によるとその大洪水はいまから4,000年以上の昔,つまりノアの時代に起きました。このことについて,考古学者として広く知られている三笠宮は,「はたして大洪水はほんとうにあったのでしょうか。……近年考古学者の発掘の結果,洪水がじっさいにあったことが,りっぱに証明されました」と述べています。

では考古学者の三笠宮氏は本当に考古学者の発掘によって世界的な大洪水が証明されたと述べていたのでしょうか? 以下は実際の三笠宮氏の著書「帝王と墓と民衆 ― オリエントのあけぼの」からのページのコピーです。

黄色いマーカーの部分が協会が引用している部分です。ピンクのマーカーの部分は前の文章に繋がっており、本来は省いてはならない部分です。しかし協会は意図的に文章を切っています。文章は以下のように続いています。

「すなわち、エウフラテス川の川口に近いウルという町や、シュルッパクという町や、それからキシュという町を地下深く掘ったところ、洪水のために上流から運ばれてきた土砂の層がはっきりと現われたのです。」

明らかに著者はノアの洪水伝説が局所的なユーフラテス川の氾濫に基づいていることを指摘しています。発掘されたのはユーフラテス川の「上流から運ばれてきた土砂」です。さらに文の途中には「(地図Ⅰ参照)」と記載されています。参照されている巻末の地図は局所的な洪水が起きやすいユーフラテス川周辺のメソポタミアの地図です。三笠宮氏はノアの洪水の物語がメソポタミア地方特有の洪水、つまり川の氾濫の話をもとにしていたことを伝えていたのです。

このように 著者の意図や文脈を無視して意図的に不公正な情報を伝える  ものみの塔協会の行為は読者を裏切るものであると言えます。

「見よ!」のブロシュアーについて

この冊子は日本人を伝道の対象として作成されたもので、1970年から20年以上日本における伝道で用いられていた。

多くの日本のエホバの証人がこの冊子に書かれていることを信じて信者となっている。

 

記事の終わり