今回は、ゆきこさんとヘブライ語について語り合います。
ゆきこさんはJWの教えの通り、ヘブライ語が人類で最初の言語であり、今の体制が滅びた後に生き残った人類が用いることになるのもヘブライ語であると信じてきました。
ところが、テレビで「新たに発掘されたエジプトの王族の墓」のニュースで、当時使われていたヒエログリフが最も古い言語のひとつであることを知り、jw.orgからヘブライ語について検索してみました。
ゆきこ
「聖書は,ヘブライ語として知られている言語の起源に関する信頼できる証拠を提供している唯一の史料です。」って書いてあるけど、本当かしら。聖書以外でヘブライ語について知られている資料はないの?先日見たテレビではヒエログリフは紀元前数千年前には遡れるって言っていたのよ。
http://wol.jw.org/ja/wol/d/r7/lp-j/2013646
ささら
聖書では、ノアの洪水の少し後に人々が集まってバベルの塔を作り、神の怒りをかったために多くの言語に分かたれた・・・って説明されているものね。
創世記の11章の最初の部分からだったわね。
「さて,全地は一つの言語,一式の言葉のままであった。そして,東に向かって旅をしているうちに,人々はやがてシナルの地に谷あいの平原を見つけて,そこに住むようになった。そして,彼らは各々互いにこう言いだした。「さあ,れんがを造り,焼いてそれを焼き固めよう」。それで,彼らにとっては煉瓦が石の代わりとなり,歴青がモルタルの代わりとなった。そうして彼らは言った,『さあ,我々のために都市を,そして塔を建て,その頂を天に届かせよう。そして,大いに我々の名を揚げて,地の全面に散らされることのないようにしよう』。それからエホバは,人の子らの建てた都市と塔とを見るために下って来られた。その後エホバは言われた,『見よ,彼らは一つの民で,彼らのすべてにとって言語もただ一つである。そして,このようなことを彼らは行ない始めるのだ。今や彼らが行なおうとすることでそのなし得ないものはないではないか。さあ,わたしたちは下って行って,あそこで彼らの言語を混乱させ,彼らが互いの言語を聴き分けられないようにしよう』。こうしてエホバは彼らをそこから地の全面に散らし,彼らはその都市を建てることからしだいに離れていった。それゆえにそこの名はバベルと呼ばれた。そこにおいてエホバは全地の言語を混乱させたからであり,エホバは彼らをそこから地の全面に散らされた。」
確かに聖書では、「全地は一つの言語、一式の言葉のままであった」と述べているし、神が言語を混乱させたために人々が全地に散って暮すようになったと書かれているわね。
JWは聖書の記述を「事実」として説明しているわ。
では、本当はどうだったのか、調べてみましょうよ。
ゆきこ
聖書によると、ノアの洪水の後しばらく経ったころということだったわ。
ささら
そして、聖書によると、どうもアダムとエバは始めから言語を使っていたわ。
では、バベルで西暦前2000年より少し前に、突然言語が別れたとするわね。でも、文字って数年で完成するのかしら?日本語のひらがな、カタカナ、漢字はもちろんのこと、英語のアルファベット、ヘブライ語、エジプト語・・・当然ながら、一夜にして文字はでき上らないわ。
ところが、信仰という「思い込み」ができてしまうと全くそんなことは気にならなくなってしまう、信仰って不思議ね。
ゆきこ
ささら
ところで、ここでひとつ確認しておきたいことがあるの。ノアの洪水やバベルの塔の崩壊について計算してきたのはJW独特のものかという点なのだけど、実はカトリックや種々のプロテスタントでさえ行ってきたのよ。
実際にはどの訳本を用いるかとかで違っていたり、聖書そのものの系図もどうも一致していなかったりするのだけれど、一応はざっと計算することはできるの。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:%E8%81%96%E6%9B%B8%E5%B9%B4%E4%BB%A3%E5%AD%A6001.png
なので、今はノアの日の洪水は約4300~4400年くらい前、そしてバベルの塔の崩壊は(ニムロデはノアのひ孫であるため)それから更に100~200年後の出来事と考えることにしましょう。
ゆきこ
ささら
・意志の伝達を目的としている。
・書記記号の集合体である。
・意味のある音声の系統的配列と関係のある記号、意志の伝達がなされるような記号的な要素を用いている。
そうなると、初期の文字は最初のひとつを満たしていても全てを満たしていない場合があるの。
でも、人が人とコミュニケーションを謀る、あるいは物事の記憶を助ける等の目的で用いられているものも人が思考し、意志を伝達する手段として用いた・・・故に話し言葉は存在していたという点においては大変重要なことよね。
まずは、人類初期の頃にはどんな手段を用いていたのかを知っておくのは助けになると思うからざっとみてみましょう。
【結縄(結び目文字)】
これは、記憶を助けるために用いられていたと考えられていて、古くは新石器時代に用いられていたことが知られているわ。
一本の紐に一重の結び目をいくつか作ったものや、色つき紐でいくつもの結び目を作って複雑につなげ、それを更に別の紐に結びつけたりして記憶・伝達に用いていたのですって!インカ帝国のキープと呼ばれているものは、それのかなり発達したものと言われているわ。
ゆきこ
ささら
これは、木の樹皮や骨、石などに線を刻みつけたものよ。
人類の祖先が、そのような印をつけるようになったのは約10万年前ということらしいわよ。
それらには一貫した特徴がって、それが意図的な彫り物であることを物語っているそうなの。
例えば、南アフリカのブロンボス洞窟で発見された斜行平行線の刻まれた2片の黄土、ザイールのイシャンゴ・ボーンと呼ばれる骨片は、紀元前9000年のものと言われているけど、
数字、あるいは暦を記したものかも知れないと言われているそうよ。
【絵文字】
とても古い絵文字は、洞窟などで多く発見されているわ。
ラスコー洞窟、フレール洞窟などは有名ね。
目的については理解されていないけど、絵文字の発達したものは「手紙」としての用を足していたらしいのよ。アメリカのシャイアン族はいくつもの部族が伝達手段として使っていたらしいの。
アフリカのアシャンティ族は、ことわざを絵文字であらわし、教訓を伝える手段としていたのですって。後に日本語にも影響を与えることになった中国の「漢字」にも「絵」に起源をもつものがあるわ。
それって先に意味を教わらないとその字が表すものが不明であったりするため、正式には「漢字」は絵文字ではなく、表語文字の部類に入るそうよ。
つまり、漢字には音と意味の両方があり、学ばなくともわかるわけではなく、個別に学ぶ必要があるのよ。
下記のシャイアン族の手紙は、妻を従えた「カメ」という名の男から息子に送った「帰ってこ~い~よ~?」というメッセージだそうよ。
ゆきこ
ささら
【タリー(符木)】
ノッチと共通するところがありけど、骨に刻み目を入れて、いろいろな人々や、時の流れ(月の満ち欠け等の記録)や狩りの成功などを表した記号。
例えば、かつてガンマンが自分の拳銃に自分の殺した人数分刻み目を入れた・・・のように、記憶を助けるための印だったみたい。
オーストラリア原住民は、あらかじめ取り決めておいた伝達内容で棒に数を刻みつけ、その棒を使って遠方の相手とメッセージを送りあうことをしたそうなの。
中世になるとヨーロッパでは、税務役人の道具としてタリー棒とノッチを刻み付けるナイフが活躍したのですって!
領収書の発行も、この刻み目を棒につける方法が用いられていて、完全な文字と平行して長く使われていたわ。
ということで、この方法も文節言語ではなく、数や金額の記憶の補助として用いられていたらしいわね。
その他、記憶の助けとしては「あやとり」なども旧石器時代から使用されていたとのことで、調べてみてわたしはビックリしたわ。
これは、言わば「空中文字」であるため、口頭伝承と同じように「伝える者」がいてはじめて後世に残るものと言えるから、「伝える者」が絶えれば、そのものが残っていても何を意味しているかは徐々に曖昧になってしまったみたいよ。
ゆきこ
ささら
バルカン半島のヴィンチャ文化(紀元前5300~4300年)では何らかの象徴を刻んだ陶器などの粘土製品が出土しているの。
主な象徴は30個あり、その組み合わせや変形によって全部で210の記号のような象徴があるらしいわ。また、その周辺では時期は前後するもののいくつかの酷似している象徴が彫られた書字版などが発掘されていて、6000年以上前に、バルカン半島中央部に陶器や書字版制作の職人たちが利用できるような何らかの「図形的象徴の目録」が存在していたと考えられているのよ。
また、トークンと呼ばれる幾何学模様をかたどった勘定道具や数の分類を示す異なった形の石(カウント・ストーン)なども用いられていたわ。
以上、ざっと人類初期から、場合によっては最近まで使われてきた簡単な線による記録、記号や象徴等についておさらいしたわね。
ゆきこ
これらを知っただけでも、人間が相当昔から家族とか同じ仲間同士では「言葉」が使っていて、コミュニケーションをはかっていたことが一目瞭然ね。
ささら
こういった初期の文字の記録の一部には「読み手」がいて、それらの絵やマークの意味を言葉に変換していたらしいわ。
それでも、その記号や象徴は、そのまま文字を音声にする現代のわたしたちが認識している「文字」である表音文字とは違うわね。
ゆきこ
ささら
でも、文化は進み、社会制度が高度化するにしたがってそれまでの単純で初歩的な文字体系では事が足りなくなったというわけよ。
ゆきこ
ささら
例えば、土地や物品の所有権に関しても、ただの記憶補助のための記号では不十分になるわよね。それで、もっと複雑な「文字」、そして所有権を有する者のしるしである「印章」も同時期に登場するみたいよ。
ゆきこ
ささら
ゆきこ
ささら
そうそう、ここで文字系統図を少し見てみましょう。文字と言っても、他の考古学同様すべてが残っているわけでもすべてが発見されたわけでもないわ。
ゆきこ
ささら
それでも、大まかな「流れ」そのものには共通のものが見受けられるので参考にはなると思うの。
ゆきこ
ささら
【ルイ=ジャン・カルヴェ版】
- 前30000年頃 [陰画手像]
- 前4000年頃 スサ(現イラン)で土器に書いた文字が現れる
- 前3300年頃 メソポタミア南部で絵文字が現れる
- 前3100年頃 エジプト聖刻文字成立
- 前2700年頃 シュメールの楔形文字成立
- 前2500年頃 スサで楔形文字が原エラム文字にとって代る
- 前2300年頃 インダス川流域で「原インド文字」が現れる
- 前2200年頃 プズル・インチュチナク王の原エラム文字碑文
- 前2000年頃 シュメールの首都ウル陥落。以降,メソポタミアではアッカド語が共通語として使用される
- 前1600年頃 原シナイ文字 地中海で線文字A成立
- 前1300年頃 ラス・シャムラ(現シリア)のウガリット文字 古代中国で甲骨文字成立
- 前1000年頃 フェニキア文字成立 同じ頃アラム文字、古ヘブライ文字成立
- 前8世紀 ギリシア文字、エトルリア文字、イタリア文字成立
- 前6世紀 ローマ字成立
- 前3世紀 カロシュティー文字、ブラーフミ文字成立
- 前2世紀 ヘブライ文字成立
- 前1–1世紀 中国で漢字が完成
- 1世紀 最古のルーン文字碑文
- 3世紀 コプト文字、原マヤ文字成立
- 4世紀頃 漢字、朝鮮半島に伝来 グプタ文字成立 ゴート文字、アラビア文字成立
- 5世紀頃 漢字、日本に伝来。オガム文字成立 アルメニア文字、グルジア文字成立
- 7世紀 チベット文字成立
- 8世紀 ナーガリー文字成立
- 9世紀 グラゴール文字成立(その後キリル文字となる)
- 11世紀 ネパール文字成立
【ロビンソン版】
- 氷河時代(紀元前25,000年以降) 「始原文字」の時代。絵文字的コミュニケーション。
- 紀元前8000年以降 中東で粘土の「トークン」が計算に使われる。
- 紀元前3300年 イラクのウルクで、シュメール人が粘土板に記号を刻みはじめる。
- 紀元前3100年 メソポタミアで楔形文字の使用が始まる。
- 紀元前3100年~3000年 エジプトでヒエログリフの使用が始まる。
- 紀元前2500年 パキスタン/北西インドにインダス文字が発生。
- 紀元前18世紀 クレタ島に線文字Aが出現。
- 紀元前1792年~1750年 バビロン王ハンムラビの治世。ハンムラビ法典が石版に刻まれる。
- 紀元前17世紀~16世紀 パレスチナで、最古のものとされるアルファベットが誕生する。
- 紀元前1450年 クレタ島に線文字Bが出現。
- 紀元前14世紀 シリアのウガリットでアルファベット的な楔形文字が使われる。
- 紀元前1361年~1352年 エジプト、ツタンカーメン王の治世。
- 紀元前1285年頃 カデシュの戦い。ラムセス2世とヒッタイト軍の双方が勝利を記す。
- 紀元前1200 卜骨の甲骨文字から漢字ができはじまる。
- 紀元前1000年 地中海沿岸地方でフェニキア・アルファベットの使用が始まる。
- 紀元前8世紀頃 北イタリアにエトルリア・アルファベットが出現。
- 紀元前650年 エジプトでヒエログリフからデモティックができる。
- 紀元前600年 中央アメリカでマヤ文字(絵文字)の使用が始まる。
- 紀元前521年~486年 ペルシア王ダレイオスの治世。ベヒストゥーンの碑文(楔形文字解読のカギとなった)が刻まれる。
- 紀元前400年 イオニア・アルファベットが標準のギリシア・アルファベットになる。
- 紀元前270年頃~232年頃 北インドでブラーフミ文字とカローシュティー文字により、アショーカ王の勅令が石柱に刻まれる。
- 紀元前221年 秦王朝の漢字改革。
- 紀元前2世紀頃 中国で紙が発明される。
- 1世紀 死海写本がアラム/ヘブライ文字で記される。
- 75年 楔形文字の最後の碑文が記される。
- 2世紀 北ヨーロッパにルーン文字が出現。
- 394年 エジプトのヒエログリフによる最後の碑文が記される。
- 615年~683年 メキシコでパカル王が古典期マヤの都市パレンケを支配。
- 712年 日本最古の歴史文学『古事記』完成(漢字で書かれている)。
- 800年以前 中国で印刷技術が発明される。
- 9世紀 ロシアでキリル・アルファベットが考案される。
- 1418年~1450年 挑戦の王世宗の治世。ハングル・アルファベットが考案される。
- 15世紀 ヨーロッパで1文字ずつの可動の活字が考案される。
- 1560年代 ユカタン半島でディエゴ・デ・ランダがマヤの「アルファベット」を記録する
- 1799年 エジプトでロゼッタ・ストーンが発見される。
- 1821年 アメリカ先住民セコイヤによりチェロキー族の「アルファベット」が考案される。
- 1823年 エジプトのヒエログリフがシャンポリオンにより解読される。
- 1840年以降 ローリンソン、ヒンクスらによるメソポタミア楔形文字の解読。
- 1867年 タイプライターの発明。
- 1899年 中国で甲骨文字の刻まれた卜骨が発見される。
- 1900年 エヴァンスによるクノッソスの発見と線文字A, Bの同定。
- 1905年 シナイ半島のセラービト・エル・ハーディムでピートリーが原シナイ文字を発見。
- 1908年 クレタ島で「ファイストスの円盤」が発見される。
- 1920年代 インダス文明の発見。
- 1940年代 電子計算機(コンピュータ)の発明。
- 1948年 ヘブライ語がイスラエルの公用語となる。
- 1953年 ヴェントリスによる線文字Bの解読。
- 1950年代以降 マヤ文字の解読。
- 1958年 中国のピンイン導入。
- 1980年代 ワードプロセッサの発明。文字が電子化される。
- 2012年12月23日 マヤ歴で現在の大サイクルが終わる日。
ゆきこ
ささら
あ、それからヘブライ文字についてだけど、こちらの資料にはこんな記述があったの。
「紀元前850年頃のカナン地方のヘブライ人のあいだでは、フェニキア文字の子音アルファベットの影響を受けて、古ヘブライ文字がすでに生まれており、主として宗教的な文書に記録されている。
古ヘブライ文字が世俗用に使用されなくなったのは、ユダヤ人が追放されていた、いわゆる「バビロン捕囚」の期間に、線形ヘブライ文字の「アブジャッド」が使われていたときである。そのころ古ヘブライ文字の影響を強く受けたアラム文字の一変種が使われるようになった。」
ゆきこ
ささら
紀元前8~7世紀には、アラム語が古代の近東で最も広く使われる言語、すなわちその地域全体の国際語となり、ペルシャ帝国(紀元前550~330年)の公用語となったのよ。それはペルシャ帝国の崩壊後も生き残って、3世紀までに新しい書記法に変化してアラビア語などに分かれていったのですって。
そして、表で確認してもらったように、ヘブライ文字のアルファベットができるまでには、ヒエログリフや楔型文字が簡略化されたり、その影響を受け体系化されたものが表音文字として発達する時間も必要だったのよね。
ヘブライ語のアルファベットの発達段階を表にしたものがあるわ。
それにね、未だに解読できていない文字群やこれから発見されるのを待っている遺構などもあるわけね。驚いたことに、文字を持たない言語というのもけっこうあるそうよ。
ゆきこ
ささら
それでも、この資料にはこんなことが書かれているわ。
「言語に文字がないと表現が散漫になるのではないかと考える向きもあるが,これはむしろ逆であることが多い。言語に文字がないからこそ,表現に一定の形式を与え,コミュニケーションを確かなものにしようという意識が働く.なぜアジアやアフリカの言語に民話が何千とあり,また諺も2,000も3,000もあるのか考えてみよう.例えば諺というのは,社会の英知をコンパクトに表現したものであるが,そこには韻を踏んだり対句を用いたりとさまざまな形式が導入されている。〔中略〕文字言語は,さまざまなものを文字の代わりに用いることがある。例えば,人名や地名は出来事の記録媒体として機能することは世界の多くの地域でみられる.例えば,アフリカなどでは「葬式」という名前は,親族が死んで喪に服しているときに生まれた子供,「戦争」は戦いがあったときの子供,「道」は母親が産科に急いだのだが間に合わず道で産んだ子供といった具合である。これらの名前は個人を他の個人と区別するだけでなく同時に命名者(これは主として子供の親)にとって重要な出来事を,子供の名前の中に記録しているのである。また隣人に対して,あたかも手紙を書くようにメッセージを子供の名前に託したものも多い。このように,無文字言語そして無文字社会においては,文字がないからこそ豊かな口承文芸が発達しているのである。そして文字の役割が大きくなればなるほど,口承文芸が衰退していくことは今,我々が目にしているとおりである。」
ゆきこ
ささら
「文字の歴史」の著者であるスティーブン・ロジャー・フィッシャーは「メソポタミアのシュメール人は、ひととおりの標準化された絵文字と象徴―ノッチから書字版に至る長年の発展の純化物―から、その後の人類にとって最も用途の広い道具になるものを編み出した。したがって、おそらく他の文字体系と書記法はすべて、6000~5700年前にメソポタミアに誕生したこのひとつの原型―体系的音標綴字法―の派生物なのであろう」と書いています。
ゆきこ
ささら
「文字は『意図的に作り上げられ』なければならないものであって、生じた社会的必要によって決まる長い過程を必然的に伴う。」
ゆきこ
ええと、モーセ5書はモーセが書いたものだし、彼がエジプトを出たのは紀元前1530年とかじゃなかったかしら?これってどういうこと?ヘブライ文字がまだないのにモーセはどうやって聖書を書いたの?
ささら
【参考にさせていただいた資料】
- ロビンソン,アンドルー(著),片山 陽子(訳) 『文字の起源と歴史 ヒエログリフ,アルファベット,漢字』
- ルイ=ジャン・カルヴェ(著),矢島 文夫 監訳,会津 洋・前島 和也 訳 『文字の世界史』
- ジョルジュ・ジャン(著),矢島 文夫 監訳,高橋啓 訳『文字の歴史』
- スティーブン・ロジャー・フィッシャー(著),鈴木晶 訳『文字の歴史』
- 梶 茂樹(著),「無文字言語」 『世界民族百科事典』 国立民族博物館(編)