S-77 フォームとは地元の会衆が信者を排斥にする際に、ものみの塔協会に排斥に関する情報を通知をするための書式です。
1990年代半ばの王国宣教学校(長老たちだけが出席する集会)では当時の長老マニュアルの余白に以下の注意書きをメモするように指示がなされました。そして長老たちが記述できるように二回繰り返し読まれました。
S-77 フォームに記載すべきでない6つの表現
S-77 フォームに記載すべきでない6つの表現
- 協会の代理人の名前やそれに対する言及
- [協会の]法律部門についての言及
- 協会からの指示を示すようなコメント
- 審理委員会以外の人で決定に影響を与えた人についてのコメント
- 委員会自身で決定に至ることができず、外部の影響で何らかの決定が導かれたということを批判的に見る人に思い起こさせるコメント
- 調査や審理委員会の手続きの中で何らかの失敗や長老たちの間違いが存在したことを示すコメント
以下は英文の原文
- Anything alluding to or naming one of the Society’s attorneys
- Any mention of the Legal Department
- Any comments referring to direction from the Society
- Any comments mentioning anyone other than the committee itself as a possible influence in the decision reached
- Any comments that might suggest to someone with a critical eye that the committee did not reach its decision on its own but, instead, somehow yielded to the influence of an outside party
- Any comments indicating that the elders mishandled the case or committed any error in the investigation or the judicial committee process.
Apocalypse Delayed p.331 by M.James Penton
上記の指示を見ると協会は審理問題に関して、トラブルに巻き込まれることを避けようとしていることがわかります。S-77フォームに記すべきでないとされる事柄は後で調査が必要になったときに重要な内容を含んでいます。それらの重要な点を一切残すべきではないという指示は組織擁護を主眼としています。このような傾向はどの組織においてもよく見られるものです。しかしいつの間にか組織を守ることが最優先になり、良心が無感覚になる可能性があるのも事実です。組織化された宗教の中でもその原理は何ら変わらないように思えます。組織の中で上の立場に置かれるほど、現実と建前を使い分けることの重要さを学んでいくのかもしれません。
口頭で伝えられる指示について
上記の点は当時の長老マニュアルの余白には存在するものの、協会の公式書面としては残されていません。ものみの塔協会は公式な文書として残したくない内容を口頭で長老たちに告げることがあります。特に法律的に協会に不利になる点は書面として残さないように配慮がなされます。そして口頭で告げられた内容は長老たち自身の手書きのメモとして残されます。(単に内容が改定されたという場合もあります)
記事の終わり
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