カリフォルニア上級裁判所 裁判資料

以下は2012年5月4日に受理された改訂された訴状です。

2012年5月4日の改訂訴状からの日本語要約

 

Superior Court of California – County of Alamada
No.HG11558324
05/04/12 First Amended Complaint Filed

訴状(全文ではなく要旨のみ)

1.原告は26歳成人。裁判の性質上匿名とする。

2.被告のものみの塔聖書冊子協会はニューヨーク州に本拠地がある法人。

3.その他,被告人リストには名称や責任の程度が不明な者がいる。従って改定の可能性がある。

4.カリフォルニア・フリーモントの北会衆はカリフォルニア州で登録された法人。フリーモント市のエホバの証人の活動を管理している。そして,ニューヨークのものみの塔協会が同じように管理している。

5.ジョナサン・ケンドリックはカリフォルニア州在住で1951年生まれ。カリフォルニア州で性犯罪者登録がなされている。

第一訴因 怠慢の事実
(ものみの塔協会及びフリーモント会衆のみ対象)

6.1994年から1996年にかけて原告は未成年の立場であった。原告はエホバの証人のコミュニティの一員としてフリーモント会衆とものみの塔協会が管理する宗教活動に参加していた。その同じ期間にジョナサン・ケンドリックはフリーモントの宗教施設で指導的な立場で奉仕していた。ケンドリックは被害者の信頼と立場,そしてフリーモント会衆の中でもつ権限を利用して原告を複数回にわたり性的に虐待した。

7.ものみの塔協会とフリーモント会衆は被告ケンドリックが宗教活動に従事する間,監督することを怠った。そして被害者である原告やその家族,そして他の成員に対して警告することを怠った。

8.被告らの怠慢の結果として,原告女性は子ども時代に身体的,精神的,感情的な傷を負い,精神的治療とケアが必要な状態になった。そのダメージは将来にも及ぶものでもある。損害額の算定は後日提出するものとする。

第二訴因 故意の不法行為
(被告ジョナサン・ケンドリックに対して)

9.原告は1から8の項目を主張する。

10.前述の期間において被告ジョナサン・ケンドリックは故意に悪意のある性的虐待を未成年の被害者に対して行った。

11.被告ジョナサン・ケンドリックの故意の行ないにより前項8で指摘した損害が発生した。

第三訴因 悪意のある行為
(ものみの塔協会に対してのみ)

12.統治体は世界中の法人団体を使って活動している。その中にものみの塔協会とフリーモント会衆が含まれる。統治体は管理方針を制定し,承認し,却下する。その中には成員に対する,あるいは成員によって行われる子ども時代の性的虐待に対応する手順も含まれている。
ゲーリー・エイブラハムソン,マイケル・クラーク,ラリー・ラマーディンは1993年から1996年までの間,フリーモント会衆の長老として,ものみの塔協会の代理人として働き,ものみの塔協会とその法律部門の指示のもとに行動した。

13.ジョナサン・ケンドリックは1990年に奉仕の僕の立場に任命された。エホバの証人の中の「奉仕の僕」はものみの塔協会の承認と同意なしには任命されない。

14.1993年に長老のエイブラハムソンとクラークはケンドリックによる未成年の義理の娘に対する性的いたずらの報告を受けた。長老たちは義理の娘に対する虐待を確認した。その確認はケンドリックと義理の娘,そして彼女の母親と二人の長老の前で行われた。

15.1993年11月に長老のエイブラハムソンとクラークはものみの塔事務所に事件の報告を行った。1993年12月にケンドリックはものみの塔本部により奉仕の僕の立場は削除された。追加の制裁は行われずケンドリックは良い立場の成員として子どもたち,特にこの件の被害者と共にフリーモント会衆の活動に携わる。そして未成年の女子に対する虐待が行われる。

16.ケンドリックが少なくとも1人の子どもを虐待しているという事実を知りながら,長老のエイブラハムソンとクラークは意図的にフリーモント会衆の成員に対して警告を行うことを怠り,管理者メンバーである他の長老や奉仕の僕に伝えることも意図的に怠った。会衆の中で活動する子どもたちの親に対しても怠った。

17.長老のエイブラハムソンとクラークが子どもに対する性的虐待を秘密にしたのは,ものみの塔協会の権限による明確な指示によるものである。統治体は1989年7月1日に長老団に宛てて指示を送っている。情報を秘密にする目的は長老たちと法人組織が訴訟や法的問題を回避するためである。

18.ものみの塔協会の管理代表である統治体はエホバの証人の子どもたちの間でさらなる虐待発生のリスクがあることを認知していた。統治体が管理する出版物には児童の性的虐待を主題とする記事が出されており,この問題のリスクについて理解しているはずである。1993年の時点で合衆国の国内コミュニティや宗教グループには問題は周知されていた。しかし,ものみの塔本部は自らの利益のために子どもの保護よりも訴訟回避を優先した。

19.ものみの塔本部の権威のもとに長老エイブラハムソンとクラークは行動し,原告たち子どもの安全を意図的に無視した。結果として原告は1995年から1996年にケンドリックによる性的児童虐待の被害を受け損害を被った。

ゆえに原告は次の法的救済を求める

1.補償的損害賠償,金銭的存在および非金銭的を含め第一第二訴因に準じて求める。少なくとも裁判の60日前に金額を通知する。

2.懲罰的損害賠償に関しては,第三訴因に準じてニューヨークのものみの塔協会に対してのみ求める。

3.訴訟費用を含める。

4.法廷が適切で正しいと定めた追加救済も求める。

日付:2012年5月3日

リチャード・J・サイモンズ
原告の弁護人として

 

補足:改定前の訴状では被告の中に「ペンシルバニア州のものみの塔聖書冊子協会」が含まれていたが,この法人は実質上は管理や人事などに関与していないため被告から外された。

 

記事の終わり