「ものみの塔」によると 1914年に神の王国が設立され、 1919年に「忠実で思慮深い奴隷」がイエス・キリストにより任命されました。 協会はこの信条を受け入れない信者を「背教のかどで排斥(破門)してきた」と述べています。
塔86 4/1 31ページ 読者からの質問
依然として神と聖書とイエス・キリストを信じていると唱える一部の人を,エホバの証人が背教のかどで排斥(破門)してきたのはなぜですか。
エホバの証人と是認された交わりを持つには,聖書の真の教え全体を受け入れていることが求められます。その中には,エホバの証人だけが信じている聖書的な信条も含まれます。そうした信条にはどのようなものがありますか。
- 人類の前に置かれた大論争はエホバの主権の正当性に関する論争であり,神が長期間悪を許してこられた理由はそれにある。(エゼキエル 25:17)
- イエス・キリストは人間になる前から存在しており,天の父に対して従属の立場にある。(ヨハネ 14:28)
- 今日,地上には『イエスの地上の関心事すべてを託されて』いる「忠実で思慮深い奴隷」がおり,その奴隷はエホバの証人の統治体と結び付いている。(マタイ 24:45‐47)
- 1914年は異邦人の時の終わりと天における神の王国の設立,さらには予告されたキリストの臨在を印づける年になった。(ルカ 21:7‐24。啓示
11:15‐12:10)- 14万4,000人のクリスチャンだけが天的な報いを受ける。(啓示 14:1,3)
- ハルマゲドンとは全能者なる神の大いなる日の戦いのことであり,それは近い。(啓示 16:14,16; 19:11‐21)
- それに続いてキリストの千年統治があり,それにより全地に楽園が回復される。イエスの「ほかの羊」の現在の「大群衆」が最初にそれを享受する。―ヨハネ 10:16。啓示 7:9‐17; 21:3,4。
(上記信条は、わかりやすくするために番号を付けています)
上記の「読者からの質問」には次の言葉がついています。
もちろん,人が疑いを抱いているだけだったり,ある点について情報を与えられていないだけだったりするなら,資格のある奉仕者がその人を愛のうちに援助するでしょう。
では実際にどのような「援助」を受けるのでしょうか?
ある時、エホバの証人の若い女性の一人が、自分が司会している聖書研究で、研究生に対して14万4,000人の教理を良心的に教えることができないと考えるようになりました。そしてこの「事件」は会衆の監督の目に留まることになります。
これに対するものみの塔協会の「援助」に関して、ものみの塔の本部で働いていたレイモンド・フランズがその伝記の中でふれています。
良心の危機 383頁
ジョン・ミッチェルは奉仕部門でパートタイムの秘書だったが、その時のことを次のように言う。
「その頃【1980年初夏のこと】フレッド・フランズからのメモが回ってきました。ハロルド・ジャクソン【奉仕部門スタッフの一人】からの質問に対する回答のようでした。」
「どうやらこういうことだったようです。スペイン語会衆で開拓者(全時間伝道)だった姉妹がいて、啓示(黙示録)7章と14章の十四万四千という数字が文字通りの数だとは良心的に教えられないと思った。別にそのことを人にも押しつけようとか反対意見を言って回ろうというのではなく、ただ一緒に聖書研究をしている人に対して十四万四千というのが文字通りの数字だとは教えられないと言う。」
「ジャクソン兄弟の質問は、こういう人が『背教者』になるかどうかというものだったようです。回答は、確かにこういう人は背教者と言えるし、もし協会が教えるように言っていることを教えようとしないのであれば排斥処分を受けるべきだというものでした。
後で奉仕部門の誰かがこのことの顛末について話していて、結局あの女は『前言撤回』したよと言っていました。恥ずかしげもなくそういう言葉が使われるのが驚きでした。」
特定の教理を「良心的に教えられない」 と感じた女性を排斥処分に相当すると判断したフレッド・フランズとは当時のものみの塔協会の会長です。この若い女性は「前言撤回」(英文:Recant)することで、排斥処分を免れることができました。
いったいどのような「援助」を受けると「前言撤回」(英文:Recant*)に至るのでしょうか?
*Recant という言葉は「宗教裁判」で無罪を言い渡す条件としてしばしば使われた言葉である。ローマカトリック教会の「異端審問」では拷問や脅しによって心にもない Recant をする者が大勢いた。
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