資金を増やす必要がある?

JWブロードキャスティング 日本語 2015年5月で、スティーブン・レットは協会は「RTO」を170建てる必要があり、そのためにも「資金を増やす必要がある」と説明しました。

 snapshot_00.20.09

RTO と呼ばれる事務所が作られるようになったそもそものいきさつはなんだったのでしょうか?

ものみの塔協会は2012年、世界にある複数の支部の閉鎖を行いました。

この点は ものみの塔出版物の中ではほとんど語られていませんが、「支部の統合」のニュースとして2013年の年鑑とサイトの中で知らされました。

その目的は協会の出費を減らすためです。

JW.ORG – エホバの証人の支部の統合
downsizing
このページにも説明されているように支部の閉鎖に伴い多くの正規職員が解雇されました。 翻訳に関わる仕事は「翻訳事務所」に移行されたことが記されています。翻訳作業は一つの言語であれば2,3台のPCを配置できる8畳ほどの部屋があれば十分行えます。

そして、現地(多くは僻地)に置くことによって、地方語を話せる地元の奉仕者を通勤ボランティアとしてパートタイム(生活は自費)で従事させることができます。それによって協会の出費はかなり抑えることができます

以下に説明をみるとわかるように、この取り決めはスティーブン・レットの「資金を増やす必要がある」という言葉とは裏腹に実際にはかなりの経費削減になっているはずです。

*** 鑑13 12ページ 過ぐる1年の際立った事柄 ***

2012年9月までに,エホバの証人の支部のうち30ほどが大きな支部の管轄下に移されました。・・・例えば,エルサルバドル,グアテマラ,コスタリカ,ニカラグア,パナマ,ホンジュラスでの伝道活動はメキシコ支部が監督するようになり,六つの国の支部は閉鎖されました。それら六つの支部のベテル家族の成員のうち,40人はメキシコ支部に割り当てられました。他の95人ほどは元の国にとどまり,全時間の伝道活動を始めました。

それら中米諸国の奉仕者の中には,メキシコ支部の監督下にある翻訳事務所での奉仕を続けている人もいます。例えばパナマでは,約20人の翻訳者が聖書文書を幾つかの現地語に翻訳しています。グアテマラでは,16人が地元の四つの言語に出版物を翻訳しています。このような再組織により,中米ではベテル奉仕者の数が300人から75人ほどに減りました。

 

ところが、オンラインテレビでのスティーブン・レットの話では「資金を増やす必要がある」という話に切り替わってゆきます。

次のように語られています。

19:25
わたしたちは出版物の地方語への翻訳を加速させています。
これには遠隔翻訳事務所、すなわちRTOの建設または購入が関係しています。RTOはその言語を母語とする人がもっとも密集している地域に置かれます。

19:50
そうした施設を各地に作ることによって
費用のかかる支部の増築の必要が減ります。

とはいえ
今後2年ほどのうちに、

考えてみてください、

170ものRTOの建設が必要とされています。

RTOの費用が閉鎖した支部を売却して得られる費用を上回ったり、運営費として増大することは考えられません。

しかし、レット氏は結論部分で、資金面での次のような強調を行います。

20:18

国やかかる資材の費用にもよりますが
RTOを一つ建てるのに
100万ドルから数百万ドルかかることがあります。

このゆえにも資金を増やす必要があるのです。

RTOを一つ建てるのに100万ドルから数百万ドルかかるのでしょうか? これは日本円に換算すると RTO一つに数億円をかけているという主張になります。

さきほどの説明によると、RTOは地方語が話されている現地に置くとされていました。その多くはアフリカ、アジア、中米などの場所です。そこで100万ドル(約1億2千万円)の建物を建てるというのは到底考えられません。ですからレット氏は非常に例外的な RTO について言及しているということになります。

では、スティーブン・レットの言葉は何を意味するのでしょうか?

そのヒントになるものは放送の後半部分の一部に出ていました。以下は 01.13.15 付近の画面です。

snapshot_01.13.15

01:13:10
協会はアメリカ手話の通訳を行うためにアメリカ合衆国フロリダ州フォートローダーデールの建物を購入したと述べられています。ここはビデオの中で映されていた比較的大きなRTOの中でも唯一 1億円以上の購入費をかけているように見える不動産です。

アメリカ手話の通訳事務所を作る場所として、フォートローダーデールが選ばれている理由が不明です。(フォートローダーデールについては Wikipedia をご覧ください)第一、リゾート地のプール付き物件を選ぶ必要性がわかりません。

現地の不動産調査のサイトによると「フォートローダーデールの土地の値段は1年前より 9.6%上昇した」と説明されています。(参照:http://www.trulia.com/real_estate/Fort_Lauderdale-Florida/

つまり、ものみの塔協会は集められた大量の資金を用いて上昇を見込める場所の不動産を購入し、ボランティアを用いて改修工事を行い、すでに 9.6%以上の利益を得ていることになります。

ものみの塔は大量の資金を寄付というかたちで入手し、無償で働くボランティアによって建築や改築を行い、最終的には非課税特権を得ながら利益を出すことができています。

アンソニー・モリス三世が別の放送で「わたしたちは建設奉仕者を今必要としているのです!」と力説していたのもうなずける話です。

 

 

補足情報:

フォートローダーデール の不動産について

インターネット上にフロリダのアメリカ手話RTOのために購入されたとされる不動産に関する情報が残っていました。

http://www.loopnet.com/Listing/18404258/1236-NE-15-Ave-Fort-Lauderdale-FL/

このページによると、この不動産はもともと「投資用アパート」として売りに出されていて、5棟の建物に26の居住区画があり、居住者用屋外プールが完備されたリゾート向け不動産です。

売り出し価格は1,950,000ドルで日本円に換算すると、2億3千万円ほどになります。 投資物件としては還元収益率が年間 9.9% となっています。 比較的古い建物ではありますが、ボランティアで建物の修繕や管理を行うことができるため、売却時に多くの収益を得る可能性が高いと言えます。

GoogleMapで見る ものみの塔のアメリカ手話RTO

 

手話通訳を行うために、プール付きのリゾート不動産を購入する理由があるのでしょうか?
 

記事の終わり