明らかになる児童虐待の実態

rcオーストラリアにおける児童性的虐待に対する組織としての対応を調査するためオーストラリア王立委員会による公聴会が行われました。2015年7月29日からは、エホバの証人を対象に調査が行われました。

証拠資料、長老たちの証言、被害者の証言をもとに進められた調査からは驚くような情報が出てきています。

その一つは委員会の調査結果として出された証拠資料の中にあるオーストラリア支部の児童性的虐待のリストです。

このリストは、オーストラリア政府のサイト(ここをクリック)からダウンロードできます。

このリストから明らかになったのはエホバの証人の会衆(一部バプテスマを受けていない非信者を含む)の中で1,006人の児童虐待者が内部で報告されていたこと、そしてそのうちの1件もエホバの証人によって警察に届けられた例がないということでした。被害児童は実に1,730人にのぼります。これはオーストラリアのエホバの証人の合計人数が7万人に満たない中で、決して少ない数字ではありません。むしろ予想をはるかに上回る児童虐待が内々で処理されていたことを示しています。

このリストから項目別に集計すると次の通りになります。

項目 人数
虐待をした人の人数 1,006人
会衆の立場:奉仕の僕 63人
会衆の立場:長老 42人
事件後に長老や奉仕の僕に任命された例 28件
二人の証人がいなかったためそれ以上調査しなかった例(*1) 124件
審理委員会が開かれなかった例 128件
排斥された人 398人
復帰した人 236人
被害児童の合計 1,730人
エホバの証人によって警察に報告された例 0件

(*1) エホバの証人の間で守られている「二人の証人ルール」とは加害者が否定した場合は二人以上の証人がいない場合はそれ以上問題を追及しないことを意味しています。塔95 11/1 28–29の記事では過去の虐待を長老に対して告発する前に当事者間で「問題について話す」よう勧められていました。現在長老たちは「すべての申し立てについて調査」することになっています。しかし当人の「告白があったり信頼できる二人の証人がいたりしない限り」会衆としての処置は行われません。

明らかになる過去の報道の真実性

今から13年前の2002年、ニューヨークの本部にあるデータベースの中にエホバの証人の児童性的虐待者の情報が23,720人分、内密のうちに保管されているという情報が報道されました。この情報はアメリカ本部の内部情報として信頼できる情報源からであると報道されていました。ビル・ボーウェンは 23,720人はアメリカ、カナダ、ヨーロッパの会衆に関連したデータベースであるとコメントしました。メディアに追及された ものみの塔のスポークスマンはデータベースの存在は否定しなかったものの、数字はずっと少ないとコメントしました。

当時のイギリスBBCの報道http://news.bbc.co.uk/2/hi/programmes/panorama/2119903.stm

bbc当初 23,720人という数はエホバの証人の反対者のデマ情報と疑う人もいました。この報道の後、組織の中の隠された問題を追及した長老ビル・ボーウェンと元ベテルスタッフのバーバラ・アンダーソンは「分裂を生じさせた」という罪で排斥処分になりました。

では当時報道された23,720人という数字については今どのように言う事ができるでしょうか?今回の調査で、オーストラリアの7万人に満たないエホバの証人の中で1000件以上の児童虐待の報告があった事実を考えると、23,720人という数字は非常に現実的な数字で、何も疑う理由はないと言えます。

2002年当時の記録については、以下のページからご覧ください。

外部サイト:ものみの塔協会は児童性的虐待者問題を内部告発したエホバの証人たちを次々に排斥する

 

 

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