エレミヤ29:10は、エルサレムが70年間荒廃していたことを示す根拠として「ものみの塔」によって用いられてきた。現代の聖書翻訳は幾つかの例外を除いて「アメリカ標準訳」と同じように「for Babylon」と訳している。

エレミヤ 29:10 エホバは言われる。バビロンのための七十年が完了した後、わたしはあなたの所を訪れることになるであろう。そしてあなたに対する良い言葉を実行するのである。それによりあなたはこの場所に戻ってくることになるであろう。-アメリカ標準訳

これに対して、新世界訳聖書では以下のようになっている。

(エレミヤ 29:10) 「エホバはこのように言われたからである。『バビロンで七十年(英文:seventy years at Babylon)が満ちるにつれて,わたしはあなた方に注意を向けるであろう。わたしはあなた方をこの場所に連れ戻して,わたしの良い言葉をあなた方に対して立証する』。

「バビロンで」と訳出されている部分は原語のヘブライ語は、「レ・バベル」である。ヘブライ語の逐語訳は以下のように「for-Babylon」となる。

ジェームズ王欽定訳や日本の「口語訳」は新世界訳と同じように「バビロンで」となっている。しかしスイスのエルンスト・ジェンニ教授(Ernst Jenni)はこの語を「場所的」に使うことを否定している。現代のほとんどの訳は「for Babylon」と訳している。ジェンニ教授は次のように述べている。

現代のすべての解説書と翻訳は「for Babel」(バベルは「都市や場所」ではなく世界強国)と訳している。これは言語からしても、文脈からしても明らかである。
「The Gentile Time Reconsider」の引用より

ものみの塔は一般的な訳出の仕方を直接的には否定していない。 「for Babel」という訳し方に関して異を唱えるつもりはないのかもしれない。

興味深いことに最新のスウェーデン語新世界訳は、「for Babylon」と訳出している。今後、英文新世界訳の改定版で同じように訂正されるのだろうか。新世界訳の改定版は頻繁に出ることはないが、すでに書き換えの準備はできているのかもしれない。

上記の「新世界訳」は以下のページからオンラインで見ることができる。

エホバの証人公式ウェブサイト 新世界訳 スウェーデン語版 http://www.jw.org/sv/publikationer/bibeln/nwt/b%C3%B6cker/jeremia/29/#v24029010