1975

現在エホバの証人となっている人の多くは1980年代以降の人です。しかし1975年に関して「何も知らない」という人はまずいません。エホバの証人に反対する人たちが1975年の件で偽予言者と述べてきたということも知っています。

ところが大方のエホバの証人は「協会は1975年に終わりが来るとは述べていなかったのに先走った人が勝手に期待したにすぎない」と述べて、かなりの意見の食い違いが生じます。

では実際に1975年前にどのような事柄が語られていたのでしょうか?ご自分がその時代にいたとしたら、どのように受け止めていただろうかという点も考えながら以下の出版物の引用をお読みください。

 

 1966年12月15日 始まり:年表をのせているだけです

塔66 12/15 764 「神の自由の子たち」の霊の宴を喜ぶ
英文の新しい本『神の自由の子となって享ける永遠の生命』を発表…人々はさっそく本の内容を調べ、そして、人類の六千年の歴史が一九七五年に終わることを示す三一頁の年表を見つけました。大会は一九七五年に関する話でもちきりとなりました。一出席者は、「この新しい本によれば、実際のところハルマゲドンは非常に迫っているということを認めないわけにはいきません」と語りました。これはたしかにこの大会の顕著な祝福の一つです

六千年にわたる人類の歴史は、これから約九年先の一九七五年には終わるでしょう。これは何を意味しますか。神の安息の日が紀元前四〇二六年に始まったという意味ですか。それはあり得ることです。「永遠の生命」の本は、それを否定していません。この本は年表をのせているだけです

さらにフランズ兄弟は語り続けました。
「では一九七五年についてはいかがですか。それはどういう意味ですか。一九七五年までには、サタンが束縛され、ハルマゲドンが終わるという意味ですか。それは十分考えられます。神にとって不可能な事柄は何一つありません。それは、大いなるバビロンが一九七五年までに滅びるという意味ですか。それもあり得ることです。また、その時までにマゴブのゴグがエホバの証人を滅し去ろうとして攻撃を加え、ゴグ自身が無力にさせられてしまうという意味ですか。それもあり得ます。しかし私たちがそうだと言うのではありません。すべてのことは神にとって可能だという意味です。私たちには何も決められません。これから一九七五年までの期間に何が起きるかを明確に告げるようなことはだれもないようにしてください。しかし、皆さん、最も重要な事柄は、時は縮まっているという事実です。残されたと時はまさに終わろうとしています。これは疑う余地のないことです。

記事は「実際のところハルマゲドンは非常に迫っているということを認めないわけにはいきません」。これは大会出席者の言葉です。ものみの塔の当時の副会長であった F.W.フランズは「六千年にわたる人類の歴史は・・一九七五年には終わるでしょう」と述べてから、他人事のように「この本は年表をのせているだけです」と語ります。 それから 1975年に終わりが到来するという考えを、「それは十分考えられます」「それもあり得ることです」「それもあり得ます」と何度も繰り返します。そして最後に「これから一九七五年までの期間に何が起きるかを明確に告げるようなことはだれもないようにしてください」と付け加えます。いったい何をしたいのでしょうか?

 

1967年 神の自由の子となってうける永遠の生命

1967年(英文1966年)神の自由の子となってうける永遠の生命 p.30 pp.43

ゆえにこの時代のうちに、そして多くの年を経ないうちに、わたしたちは、エホバ神の目から見て人間存在の第七日にあたる日を迎えることになります
エホバ神がこの第七の千年期を休息と解放の安息の期間とし、全地の住民に自由をふれ示すための、大いなるヨベルの安息にされるのは、全く適切なことではありませんか。それは人類にとって全く時宜を得たことです。それはまた神にとっても全くふさわしいことでありましょう。忘れてならないことに、人類の前途には、聖書巻末の本に述べられているようにイエス・キリストが千年のあいだ地を治める、キリストの千年統治があるからです。十九世紀前、地におられた時、イエス・キリストはご自身について預言的に「人の子は安息日の主である」と言われました。(マタイ、一二ノ八)「安息日の主」イエス・キリストの支配が、人間生存の第七の千年期と時を同じくしていることは、単なる偶然ではなく、エホバ神の愛の目的によるのです。

( 日本では英文より遅れて出版されたため、大会の話と書籍の年が逆になっています。)
この書籍ではすでに1975年に人間の歴史六千年が終わりを告げるという点が強調されています。そしてその六千年に続くものは「休息と解放の安息の期間」であるとはっきり述べています。普通に読めば、この書籍は1975年に終わりが到来しキリストの千年統治が始まることを明確に主張しているように思えます。フランズは年表にある1975年から千年統治が始まることが「神にとっても全くふさわしいことでありましょう」と述べます。神からのお告げでもあったのでしょうか。

 

1967年8月1日 1975年に「この世代」が終わりに至るのは確実

塔67 8/1 454 神の時間表によれば今はどんなときですか
興味深いことに、一九七五年の秋は人類の歴史の六千年の終わりに当たります。この事実は、聖書に収められている正確な年代表を用いて確証できます。では、その年は人類にとって何を意味しますか。その時、神は悪い者を処罰し、御子イエス・キリストによる千年統治を開始されるのでしょうか。それは大いにあり得ることですが、私たちは事の成り行きをさらに見守らねばなりません。しかし、これらの出来事を見るであろうとイエスの語った世代がその終わりに至っていることは確実です

 「事の成り行きをさらに見守らねばなりません」といいつつも、その直後には「これらの出来事を見るであろうとイエスの語った世代がその終わりに至っていることは確実です」と述べます。当時のエホバの証人は「この世代」が終わりに至る前にハルマゲドンが来るとはっきり述べられていることを知っています

 

1968年8月15日 残された時はあと何年かしかありません

塔68 8/15 502 残された時を賢明に用いる
「終わりの時」に関する聖書預言の最後の部分は、ここ何年かの間に成就を見、生き残った人類はキリストの栄光ある千年統治の下で解放されるでしょう。

1975年とは書いていません。しかし1968年から「ここ何年かの間」とは、つまり何年のことを指していると思いますか? 真面目な読者はこのような文章をどのように受け取ればいいのでしょうか?

 

 

 1969年8月8日 この体制はあと数年のうちに終わります。

目ざめよ!1969年8月8日号 15頁
若い人々はまた、現在のこの事物の体制の下で年配に達することは決してないという事実を直視しなければなりません。どうしてそう言えますか。なぜなら聖書予言の成就という証拠はすべて、この腐敗した体制があと数年のうちに終わることを示しているからです。・・・・ゆえに、若い人々はこの体制の差し伸べるいかなる立身出世の道を決して全うすることができません。もしあなたがいま高校生で、大学教育をこころざしているとすれば、大学を卒業して、専門的な職業に携わるには少なくとも四年、場合によっては六年もしくは八年もかかるでしょう。しかしこの事物の体制はその時までにどうなっているでしょうか。もし実際に過ぎ去っていないとすれば、ほとんどその終わりに達しているでしょう!」

若い人が年配に達することは決してない、なぜなら「あと数年のうちに」体制が終わるからだと述べています。ここで語られているメッセージに不明瞭な点はありますか? この記事がどのようなメッセージを含んでいたかに関しては、別の投稿記事「目ざめよ!1969年8月8日号」をご覧ください。

 

 

1970年1月1日 したがって第七千年期は10年以内に始まります。

*** 塔70 1/1 14ページ 近づく一千年の平和 ***
しかし最近,熱心な聖書研究者はこの年代を調べ直しました。その人々の計算によると,人類は1970年代の半ばに地上生存の満六千年目を迎えます。したがって,エホバ神の人間創造を起点とした第七千年期は,今から10年以内に始まることになります。

10年以内に始まる「第七千年期」がキリストの千年統治を意味していることは読者は十分理解しています。「1970年代の半ば」とは1975年以外の何物でもないと思うのですが、いかがでしょうか?

 

 

 1974年6月 家や資産を売って開拓奉仕をするのは優れた方法です

*** 宣 74/6 3ページ あなたは自分の命をどのように用いていますか ***
そうです。1971年9月以来,開拓者の人数はただ1か月を除いてあとは毎月新最高数を記録し続けており,今日本では正規および特別開拓者は合計3,859人という空前の新最高数に達しました。これは2年半前の時よりも1,717人も増え,実に80%もの増加に当たります。これは私たちの心を暖めるものではありませんか。家や資産を売って,開拓奉仕をしてこの古い体制における自分たちの残りの日々を過ごそうとする兄弟たちのことをよく耳にしますが,確かにそれは,邪悪な世が終わる前に残された短い時間を過ごす優れた方法です。―ヨハネ第一 2:17。

この時点で世界中のエホバの証人が1975年に対する熱狂的な期待が起きているということを、会長のノアも副会長のフランズも熟知しています。そして人々が家や資産を売り払っている理由が、1975年までは「残された短い時間」しかないということを信じて行動しているということも理解しています。その上で、そのような行動が推奨されています。躊躇していた人もこの記事を見れば勇気をもって家や資産を売り払うことができたでしょう。

 

1974年9月15日 再び:年表をのせているだけです

*** 塔74 9/15 566ページ 永遠の前途を見ながら奉仕する ***
そのことは,聖書の預言の成就から,この邪悪な事物の体制全体の終わりが近づいていることに気づいている今日の真のクリスチャンの間でも同じことです。最も正確な聖書の年代表が,人間存在の6,000年が1970年代の半ばに終わることを示しているのは事実です。 ですからそれらのクリスチャンたちは,それと,地上のすべての悪を一掃する,わたしたちの時代の「大患難」とが同時に発生するかどうかを見ることに非常な関心を持っています。それはありうることです。しかし彼らは,サタンの邪悪な事物の体制が正確にいつ滅びるかを予告しようとさえしていません。地上の人間はだれひとりその時を知らないことを彼らは認めていますから,成り行きを待つことに満足しています。―マタイ 24:36。

1975年秋をあと1年とする頃、ものみの塔はどうも他人事のような論調になります。「終わりが近いと考えたのはあなたたちで、わたしは年表を書いただけです」と言いたいのでしょうか。そして人事のように「しかし彼らは,サタンの邪悪な事物の体制が正確にいつ滅びるかを予告しようとさえしていません」と述べています。

 

1975年7月15日  1975年は歴史に残る年となるでしょう

*** 塔75 7/15 448ページ 「神の主権」大会にぜひ出席してください! ***
1975年は,間違いなく,非常に意義のある興味深い出来事のあった年として歴史に残る年となるでしょう。そうした出来事の中には,4日間にわたるエホバの証人の「神の主権」地域大会があります。この大会は出席した人々にとってとりわけ長く記憶に残るものとなるでしょう。したがって,あなたも今,大勢の人々と同じように,大会に出席する準備をしておられることと思います。昨年,世界各地で開かれた同様の大会に293万5,004名が出席しました。

そして1975年は何も起きることなく過ぎ去りました。皮肉にも「ものみの塔」の予告通り、「1975年は歴史に残る年」になりました。


当時の様子はどのようなものだったのでしょうか?

地域監督による大会での話を聞いてみましょう。

主題:永遠の命を見つめて仕える
講演者:チャールズ・シナツコ
1967年 地域大会


しかし当時のエホバの証人をつまづかせたのはこのような記事だけなのでしょうか?彼らをつまづかせたさらなる理由については次の記事からお読みください。

次の記事:第2部 つまづきの理由